ぜんまい手織り。

2018年10月6日より岡崎市の旧石原家住宅にて、素朴な味わいでありつつもたいへん珍しい伝統の手織りものの展示会を開催していただけることになりました。
一聴しただけで容易に想像のつかないこの手織りの手法は、東北地方でかつて生活の一部として存在していました。-ぜんまいの綿毛のみを採取し、紡ぎ、草木染めし、綿や絹の糸と機で織りあげる-知れば知るほど、この先新たに作られることはごく稀なことであろうなという印象を持ちます。そして、還暦に差し掛かり、ほぼ独学独力でこのぜんまい手織りを現代に甦らせた、今は亡き菊地星女[きくちほしめ]という火のような女性と、彼女を彼女たらしめ、支え支えられ、愛し愛された家族の物語にもたいへん心を揺さぶられます。

星女の一人娘である、写真家であり、お産・ジェンダー論の研究者である立教大学大学院講師の菊地栄[きくちさかえ]氏の主催により、ぜんまい手織り物と、その制作の背景を多角的にごご覧いただける貴重な機会です。